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かわいい子注意報

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 故・中島らもが昔エッセイで書いていたこと。ある動物学者がこんな仮説を唱えた。

  哺乳類の赤ちゃんというのは犬、猫、豚、なんにせよ無茶苦茶かわいい。もしかしてこの“かわいさ”は、あらゆる動物に対して有効な“かわいさ”なのではないか。その証拠に、しばしば人間以外の動物も哺乳類の子供を拾って育てていたという事例がある。自らの種の保存を最優先にして生きる野生動物が、他の種の子供を育てるのはかなり異常なことのはずだ。これはもはや“武器”と言っていいぐらいだ。
 つまり、哺乳類の赤ちゃんは自然界で生き延びるには余りにも弱く、長い間親がかりでそのままでは生存しにくい。だからある種の生物が生まれつき敵から身を守るための武器として猛毒を備えているように、哺乳類も“かわいさ”を備えているのではないか。かわいさで他の動物を腰砕けにして戦意を喪失させたり、母性本能を刺激するために。

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  このユニークな仮説を援用して、中島らもは「女性もかわいい子はたくさんいるが、自分は相手がただかわいいだけでは突進しない。なぜなら、そのかわいさは愚かさや病弱さなど生存上の大きな欠点を補うために備わっている長所かもしれないからだ。」というわけ。(中島らもってそんなに理性的な人じゃなかったはずだが・・・) 

 ま、冗談半分に言ってるわけだが、人間の場合、かわいいことで周囲から甘やかされてスポイルされてしまうことは往々にしてある。だから、自分のパートナーを選ぶ時に「かわいい子」をターゲットから除外できるなら、それに越したことはないかもしれない。
 かわいい子が外見でチヤホヤされるのもせいぜい二十代までだから、その後は人間力でサバイバルしなきゃいけない。
 ゲイを見てると思うが、苦境にある自分を笑い飛ばすユーモアのセンスや精神的タフさって、やっぱり虐げられたり、辛い目にあって修羅場をくぐり抜ける中で身についていくもののような気がする。それなのに人格形成期に人間力を磨くチャンスを持ちにくかったかわいい子たちは、かなりのハンデを背負ってることになる。
 だからかわいい子って結局、トータルではものすごい損をしてて、可哀想なんだよな。やっぱりおれが守ってあげないと・・・。
 こうして世の男たちは今日も術中にハマっているわけです。

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